石見吉川家文書103号「吉川経安置文写」より
「三里四方に尺構を結ひ、可の辺には乱杭をうち、或は坂茂木をひき、或は水底に縄網をはり、諸陳の櫓にはむながい(革に皮)・螺・鐘を鳴らし、所々の篝火は、さながら万灯のごとし。」と書き残された包囲網どんな物だったのか、残された遺構を探る。56陣そして3城を紹介する。
この図は進藤家覚書、信長公記、老翁記、安西軍作 陰徳太平記、陰徳記、稲葉民談記、旧塁さく覧、羽柴秀吉の天正鳥取陣営跡之圖、等を参考に戦いが開始された当初を想定。
特に吉田浅雄氏の「羽柴秀吉の天正鳥取陣営跡之圖」を参考にさせていただきました。此処に謝意を表します。
氏は昭和57年58才の時より踏査を開始され昭和60年11月にこの書を完成されているようです。 一回り以上若い私が、乗り越えることの出来ない峰、堀切を越え踏査された氏の並々ならぬ強靭な意志を感じ、同じ鳥取に暮らす人間として誇りに思います。
インターネットの普及と共に、紙による媒体より子供たちが離れています。氏の偉業を後世に伝えるためにも、 拙いながら、この地にこんなすばらしい遺構がある事を知らせるためにもこのページを作成します。残念ながら氏がこの書を著されてからも、遊歩道や、携帯電話のアンテナに遺構が破壊されています。私の孫子の代まで残ることを祈ります。
道の無い藪に突入します。子供だけでは決して訪問してみようと試みないこと、最低コンパスを利用出来、地形図を読み取る能力をもつ分別ある人と踏査しましょう。

この地図は国土地理院長の承認を得て,同院発行の数値地図50000(地図画像)を複製したものである(承認番号平16総副、第781号)
こちらは、踏破終了、鳥取城防衛ラインの丸山東の尾根及び秋葉山西の尾根が宅地造成で失われている。山賊海賊と成り下がった尼子の残党をこの中に入れなかったら、、少し残念。元々山名が悪いのだが。丸山・秋葉山・雁金山・久松山と続く遺構群を一つと捕らえるならこれもまた国内に類を見ないすごい山城であろう。
鳥取城 雁金城(吉田浅雄氏番号59〜72)山守の砦以外踏査終了12陣 丸山城
吉田浅雄氏の「羽柴秀吉の天正鳥取陣営跡之圖」の分類に従います
山間部の遺構は垣屋隠岐守、青木勘兵衛陣は山がなくなっている。旧円護寺村北側の遺構の大半が宅地造成で失われている(現北園団地)、三好信吉はこのときまだ初陣を果たしていないはずで、八幡山という吉川方の喉仏とも云える場所に布陣したとは考えがたい、宮部の陣であった可能性が高い。
栗渓南嶺と諸陣(芳心寺より太閤陣吉田浅雄氏番号10〜31)仙石秀久陣 堀尾吉春陣 長谷川秀一陣 踏査終了22陣
芳心寺の墓地に始まり垣屋播磨守陣までの間約7キロに渡って遺構が連続、日本国内に現存する殆どすべての山城を、陵駕する中世山城の一級品であり(地元のことなんで井の中の蛙)よくも短期間にこれだけのものを作り上げたものだ。特に秀吉の陣より北西に幅約14メートル長さ約700メートル続く竪堀横堀は圧巻である。羽柴秀吉には、目の前の鳥取城でなく、海や山や砂丘や平野を覆い尽くす毛利の大軍との対決が見えていたのではないか。
芳心寺が入り口だが、他人の墓地を踏みにじって巡るのは気が引けるので、樗谷神社上の遊歩道を利用して巡るのが良い。
芳心寺
芳心院墓=曲輪 樗谷神社前参道を真っ直ぐ進み、土塁を進み(意外とでかく其の先は馬場だと思うのだが皆様のご意見は)左手山の根に進み少し登ると東屋があります、その手前の尾根筋が遊歩道です。これが遊歩道だと判断できない方は上らないほうが良いです。危険です。
遊歩道入り口
太閤ケ平陣営(吉田浅雄氏番号1〜9)羽柴秀吉陣他 踏査終了
水道奥の陣城(吉田浅雄氏番号32〜42)羽柴美濃守秀長陣他 踏査終了12陣
円護寺の連営(吉田浅雄氏番号43〜52)垣屋播磨守陣他 桑山修理進陣所以外踏査終了6陣
この地を訪ねる時は、吉川経家墓を中心として巡るのがお勧めです。険しい山中の孤立した陣所が多く辿り付けていない場所もあります。
浜坂之陣跡(吉田浅雄氏番号53〜58)高野駿河守 垣屋隠岐守他
垣屋隠岐守、青木勘兵衛陣は開発で失われ、その他も水道のタンクであったり、個人所有地で紹介不可能な状態です。丸山のあたりから、見上げるのが精一杯です。
平野部の遺構は無いが、吉川平助陣及び朝野弥兵衛陣場所に社がある。2陣
木下助兵衛陣 中村孫平次陣 小阿弥陣 山名豊国陣 木下平太夫陣 神子田半左衛門正治正陣 蜂須賀家正陣 小寺勘兵衛陣 木村隼人陣 杉原七郎左衛門陣 加藤作内陣 朝野弥兵衛陣 吉川平助
この中に名は無いが、尼子残党の盗人亀井新十郎が周辺の城をいくつか攻めている。後に鹿野城主となった。
消滅した遺構
50 庵ノ上之要害 宅地開発による
51 妙見山之要害 宅地開発による
52 妙見谷北尾の土塁 宅地開発による
54 垣屋隠岐の陣所 宅地開発による
58 青木勘兵衛陣所 鳥取市教育委員会による施設建設による
侵入不可
43 桑山修理進陣所 個人所有地の可能性 要調査
53 うつろ東五陵の平 ゴルフ場と廃屋に囲まれ侵入方法不明
55 高野駿河守陣所 上水道施設有り
56 其次之要害 個人所有地
71 山守の砦 地元町内がゲート設置 八幡池管理の為か